今日だけの自然に触れる

　今日はお御堂参り。近年すっかり「月に一度」となり、始まると子ども達から「今日のお話は〜？」という声もかかるようになりました。素話を楽しみにしてくれている姿、嬉しいです。
　さて「ねずみの恩返し」という話をしたのですが、ちょうど園内の葉が色づいてきた（例年より半月遅いです）ので、銀杏の葉を見せて「園長先生の手よりも大きいのがあるみたい。見つけたら持ってきて下さいね」とお話ししたところ、何人もの子が探して来てくれました。その中で「今日の一番」の物を張り出しました。そこへ（さり気なく）スケールを置いて、「横１８センチ、高さ１８センチ」と表示してみました。これをきっかけに、数字に興味を持ってくれたらいいなぁー、と思って。「大きい葉っぱだったんだよ」だけでなく「１８センチだったの」という表現ができれば、より大人や後日にも伝わりやすくなります。どれだけの子が気づくか分かりませんが、「もしかしたら」の種まきです。
　また、写真は今年の柿の実です。金柑を取っていたのを見て、「はしごに登れば取れるよ」と、リクエストに応えました。ただ、今年は数ができないので全員分はありません。学年によっては小さく切り分けて試食したそうです。子どもが「今日は柿を持っている子がいたよ」ということでしたら、「じゃ、買って食べてみる？」と返してあげて下さい。
　いつも「自然は誰かの所有物ではない」と言ってきていますが、「数に限りがある」のも特徴でしょう。全員に行き届く時もあり、そうでない時もある。待っていれば手に入る、とは限らないのが世の中で、「平等」というのも人間の都合でできた価値観なのでしょう。