だっこく！

　数週間前から２階に干してあった稲、お気づきの保護者さんはいらっしゃいますか？今年度年中組では「バケツで稲を育てよう」に挑戦したのですが…一時期水を切らしてしまって、大きく育たず実入りも悪かったので、迷ったあげく諦めた経緯があるのです。
　しかし先生達は、それでも何とか「お米を食べる前段階」に触れさせようと考えたのですね。つてを辿って稲を手に入れ、今日まで干していたのです。そして今日は脱穀＆精米。稲から外すにはお箸を使い、精米にはペットボトルとすり鉢を使いました。
　もちろん簡単にはいきません。玩具として作られた物ではなく、子ども達が対象に寄り添って…歩んで関わって物事が進んでいくのです。外したお米を懸命に手で集め、振ったり搗いたりして籾が取れたお米（玄米）を一粒ずつ集めている姿を見ることができました。
　私も以前、同じように脱穀して精米（一升瓶で）したことがあるのですが、まぁ結構な労働量です。正直「あれだけやって、これだけの量しかとれないのか…」というのが感想でした。そして、地方で田んぼを見る度、「ああ、この広さでプロが栽培して、一年何人分になるのだろう」という視点を持てるようになりました。機械とか薬品とか様々使ってのことであっても、育てるというのは大変なことだと経験からストレートに学びました。

　試食はこれからだそうですが、子ども達が少し関わったお米。保育室で炊いて、その匂いも嗅いで貰おうと先生達は計画しています。「エネルギー補給」にとどまらない食べ物への関わり方を体験することで、食べ物や生き物についての見方をひとつ新たに手に入れて欲しい、そんな願いです。